日本市場=技術のF1

日本市場は「ガラパゴス」と呼ばれて久しい。
しかし、ガラパゴスから抜け出すためには…という建設的な議論はあまり聞かない。
一般的に言われるのは「経営資源の振り分け方が悪かった」「世界市場への展開のビジョンが無い」という経営論的な部分論に終始している。
 
しかし、それでは変革が難しい日本メーカーの現状を打破できない。
そこで視点を変えてみようと思う。
 
日本市場を「先進的な技術を試せる場所」と再定義するのである。
 
そこで私が考えたのは「F1」的にこの市場と向き合うことである。
F1は各自動車メーカーの経営資源だけで運営されているのではなく、ショービジネスとして成り立っていて、そこには各種の会社の広告料収入を使って技術開発及びビジネスを展開している。
(今は各自動車メーカー間の戦争に終始しているので広告料収入の割合は低下しているが…)
 
振り返って日本の携帯市場を考えてみる。
日本国内ベンダーは赤字ぎりぎりだが、なんとか経営が成り立っている。
成り立つ理由は、高額な通信料と端末代を払うことを厭わない日本の消費者がスポンサーと存在しているからだ。
 
そのスポンサーの存在で開発されている、日本の携帯は機能と品質は高品質であることは間違い無い。
(現に落下試験や内部設計を見ると、海外メーカーのものは怖いものが多い)

 
では、海外に振り向けられない理由は何か。
一番の大きな理由は各国への「ローカライズ」では無いだろうか。
特にソフトウエアのローカライズコストが一番大きいと思う。
しかし、そのローカライズのコストもAndroid(Googleのmobile用OS)環境を利用することで極小に押さえる事が出来る環境が出来つつある。
 
そして、車でいうLEXUSのようなブランディングにさえ成功すれば、シェアは稼ぐことが出来ないかもしれないが、一定の利益が得られる市場を確保し、世界に再進出するチャンスが出てくるのでは無いだろうか。
 
ガラパゴスの中に閉じこもるのか、犠牲を払って大海に漕ぎ出すのか、あとはその覚悟だけではないかと考える。