日本の企業からi-phoneが出ない簡単な理由

それは会社内の組織を適時分解再構成する仕組みがないから。
 
例えばi-phoneをあの規模で展開しようとすると、
・携帯電話の部署
・音楽プレーヤーの部署
上記二つの部署と事業内容をマージすると共に
音楽配信の部署(ソフト・インフラ)
を整備する必要がある。
 
でも、現場のマネージャーからすると、
部署の統合やリストラの実行は、
利害関係が複雑すぎて困難であり決断できない。
 
また、この規模な投資が出来る程の決断は、上級幹部にしか出来ないが、
現状の事業を回す業務に忙殺されていて、とても考えている余裕は無い。
 
そして、音楽配信とプレーヤーの組み合わせたビジネスモデルを構築する企画自体が、
「こんなもの出来るわけは無い」等の社内評論家兼中間管理職に潰される。
(こんな企画が上がってきても目を通している暇は無い)
 
また、上記のことが分かっているため、社員個人として考えがあっても言い出さない。
 
以下、無限ループ。
 
だから、出来ないし出ない。という単純なお話。
誰が悪いのでも無く、それが出来ない事がシステム化されているから。
 
新しいことにチャレンジする事が自然と出来ないシステムを、どう壊して、どう再構築すればいいのだろうか。

詳細なプロフィール

 
大学時代には高周波回路設計、大学院時代にはLSIの設計に携わる。
大学院時代に横目で見ていた共同研究先の方とお話をして、そのすごさに圧倒。
一度は後期過程に進むことを決めていたが、一転して某電器メーカーに入社。
 
社内でも同じようなテーマを元に研究部門に所属する。
 
入社後は
「ソリューションの難しさ、技術の高さが重要ではなく、いかに難しいことを簡単に伝えるか」
「誰も答えを持っていない事、答えを出すことが難しいことに、あえて答えを提示すること」
「技術より見た目、使い勝手」
など、カルチャーショックを受けながら数年技術開発に携わる。
 
その間、社内の色々なことを目にする。
「研究部門は予算を取ってきて、消化することが仕事」
「上の思い付きを、下が責任を持って「成功」したことにする」
「up おあ 窓際」
「技術力、知識ではなくはったり」
「人格より仕事が出来るか否か」
 
その間、周りの人々では、
「同期が亡くなった」
「先輩が来なくなった」
「はみられた」
「部署丸ごと無くなった」

など、社会の荒波を知る。
 
 
一生懸命がんばっても、報われない技術開発。
絶対勝つ見込みの無いコスト競争。
誰も幸せになることの無い労働。
 
技術以外で勝負が決まることに歯がゆさを感じる。
 
「人間は見たいと思ったものだけが見える」とカエサルは言う。
ただ、この数年は「見たいと思ってないけど、見せられた」

そして、今に至る。
何か始めよう。そう思った。

事の始まり

 
事の始まりは、いくつかの気づき。
 
大学院時代に共同研究していて尊敬していた技術者が、
適切なテーマや仕事を与えられず、部署で浮いてること。
 
同期が午前1時過ぎまで働いている事。
 
同期の部署が他社の半分のリソースで、倍の売り上げを目標に抱えている事。
 
同期の半分以上が昇進を拒んでいること。
 
すばらしい技術が、経営のせいでテーマが志半ばで終わってしまった事。
 
新しい物が言い出せない社内の雰囲気。
でも、トップは「新しい物を」と大きく掛け声を張り上げている事。
 
いつの間にか、そのシステムに組み込まれている事。
 
 
何かを変えなければならないことに、みんな気がついているのに、
そのことに顔を背けて今の仕事だけを見ていること。
 
 
だけど、そのために自分自身何が出来るかを見失っていること。
 
 
だから、まずはここで何かを発信することに決めました。
発信すれば同じ事を思っている人、何か行動している人に会えると信じて。